多言語自動翻訳ツールwovn.ioとshutto翻訳を使ってみた_キービジュアル

多言語自動翻訳wovn.ioとshutto翻訳の実際の使い勝手を比較

多言語自動翻訳ツールwovn.ioとshutto翻訳を使ってみた

ここ最近、「多言語翻訳サイトの制作や翻訳会社をどんなふうに選んでいるか?」というご相談をいただくことが増えてきました。

皆さんお困りなのが、「外国語はできません」、「英語は多少わかるけれど、ハングルやタイ文字なんて読めない」、「翻訳された文章のチェックはどうするか」・・・などなど。

そこで、「自動翻訳」を利用したウェブサイトの多言語変換サービスについて比較してみたいと思います。

今回比較するサービスは、2年前から出ているwovn.ioと、最近リリースされたばかりのshutto翻訳についてです。

実際の精度や使い勝手をレビューしていきたいと思います。

導入は、タグを一行追加するだけ

どちらのサービスも、会員登録を行い、翻訳したいウェブサイトのURLを登録するだけで、ウェブサイトが翻訳が始められる仕組みになっています。
早ければ、3~5分程度でウェブサイトが自動翻訳できます。簡単なHTMLの編集は必要です。

登録は簡単です。下記URLからそれぞれフォームを入力するだけです。

両サービスともに、無料トライアルができます。

登録すると、翻訳したいウェブサイトへJavascriptの追加をする必要があります。
それぞれのサービスで発行される指定されたタグを、HTMLのヘッダや、共通タグ、GoogleTagManagerへ追加します。

ただし、JavaScriptを追加したページすべてが、自動翻訳されるわけではありません。
どちらもGoogleAPIを利用している都合上なのか、ページ数に制限がかかるようになっています。

wovn.ioは、ユーザーが遷移したしたページが、リストアップされていく仕組みになっており、ページ数の上限になると、翻訳されないページが出ます。
shutto翻訳は、手動で1ページずつURLを登録する仕組みになっていて、こちらもページ数の上限以上は登録できません。

つまり、ユーザーがよく見るページを自動的に登録してくれるのが、wovn.io。
自分たちが必要だと思うページを1ページづつ登録していくのがshutto翻訳といった感じになります。

ページ登録の手間がないwovn.ioですが、意図しないページが登録される可能性もありそうです。
逆に、
shutto翻訳は、1ページづつ登録する手間がかかるのが面倒です、大規模なサイトや大手企業向きではなさそうです。
けれど的確に必要なページだけ登録していける点は非常に管理はしやすいと感じました。shutto翻訳も一括登録で、自動翻訳できるようになれば大手企業さんの導入も進みそうな気がします。

wovn.ioの料金

プラン名 無料 スタートアップ ビジネス エンタープライズ
料金 0円
(30日間)
5,000円/月 25,000円/月 ASK
対応ページ数 15ページ 100ページ 10,000ページ 10,000ページ~
翻訳言語数 1言語 1言語 3言語 3言語
翻訳対象 静的コンテンツのみ 静的コンテンツのみ 静的/動的コンテンツ 静的/動的コンテンツ
機能 機械翻訳・プロ翻訳・画像置換機能あり
辞書機能

shutto翻訳の料金

プラン名 無料 エントリー ビジネス エンタープライズ
料金 0円
(30日間)
3,000円/月 15,000円/月 ASK
対応ページ数 5ページ 100ページ 1,000ページ 1,000ページ~
翻訳言語数 1言語 1言語 5言語 5言語
翻訳対象 静的/動的コンテンツ
機能 機械翻訳・プロ翻訳・画像置換機能あり
辞書機能 未実装・開発中

どちらも自動翻訳は、GoogleAPI

それぞれのサービスの要となる自動翻訳の機能について比較していきましょう。

先にも書いたように、wovn.io、shutto翻訳の両サービスはGoogleのAPIを利用しており、自動翻訳の精度はほぼ変わりません。
なぜ、ほぼなのかというと、wovn.ioには辞書登録機能が実装されています。
そのため、事前に会社名や個人名、固有名詞、専門用語を登録しておけば、自動翻訳時にGoogle翻訳だけに頼らない翻訳結果が得られます。

例えば、内部SEO対策をいう言葉は、本来、"on-page SEO"と訳されないといけないですが、
自動翻訳で英訳すると、"Internal(内部の、体内の、内面的な) SEO measures(測定する、評価する、優劣を測る)"となってしまい、
本来あるべき"on-page SEO"とは表記されません。
また、Googleスマホ対応に関しても、"Google for smartphone"となってしまい、本来あるべき"Google mobile-friendly"とは変換されません。

こういった業界用語や、専門用語などは、あらかじめ辞書登録できると、翻訳の工数の削減に大きく寄与します。

特に、文中にこういった専門用語や固有名詞が散見される状態であれば、単語登録するだけで大幅に翻訳精度の向上と、翻訳の工数の削減することは明らかです。

気になる自動翻訳の精度 肝は「辞書登録」機能!

自動翻訳のツールを入れることを検討している方々のほとんどは、プロ翻訳の依頼はできるだけ少なくしたい!と考えているんじゃないでしょうか。
弊社でもお客様には、プロ翻訳はできるだけ少なく提案したいと考えています。

気になる精度ですが、ざっくりとしたイメージとして、辞書登録の機能を使用したwovn.ioの場合、7割から8割は、自動翻訳のまま使える(そのままの文章が良いという意味ではありません)のではないかなという印象です。
辞書登録の機能がないshutto翻訳の場合、5割から6割くらいは、読める文章になりますが、固有名詞や専門用語の差し替えをほぼ全ページにおいて行う必要があるので、非常に手間がかかり、面倒です。数十ページのサイトの修正にも何度も原稿の読み直しをする必要が出てしまいます。


上のキャプチャは、wovn.ioの辞書登録の画面です。 主に、電話番号に国番号+81を追加したり、商品やサービス名、固有名詞が含まれる言葉を登録しています。 30ページ程度のコーポレートサイトで、100個程度の単語登録がされています。

自動翻訳を使うといっても、事前準備が重要で、「固有名詞、人名、商品名、サービス名、業界用語、専門用語」の準備が非常に重要です。
ガイドラインを作ることまでは必要なくても、よくつかわれる言葉(名詞)をリスト化しておくことで、
一般企業のコンテンツやブログの記事に関しては、自動翻訳だけでもある程度の精度を出せるようになります。

以前の機械翻訳は単語を変換するだけというイメージのルール翻訳でしたが、最近のGoogle翻訳に代表される自動翻訳は、大量のデータに基づいた統計翻訳をしているため、精度が向上し、自然な文章に仕上がってきているようです。

翻訳会社の中には、原稿を受け取った後、自動翻訳にかけ、おかしな文章を手直しすることで翻訳単価を下げたり、工数削減をしているところもあると聞きます。
それほど、精度が上がりつつある自動翻訳が、wovn.io、shutto翻訳のようにサービス化され、ユーザーにも手軽に使えるようになるようになってきたのだという印象を受けます。

ただし、まったくわからない言語の場合、どの程度翻訳結果が正しく、どの程度間違っているかの判断がつかないという問題が起こります。
そういった際には、やはり社内の外国人に確認してもらうか、ネイティブチェックをお願いするか、プロ翻訳を依頼する必要が出てきます。

低価格で依頼できるプロ翻訳

wovn.io、shutto翻訳ともに、プロ翻訳という機能があります。

どのような機能かというと、ウェブページのテキストのリストの中から、
翻訳をお願いしたい箇所(翻訳したい箇所)にチェックして、プロに翻訳依頼をかけられるという機能です。

これは、翻訳してほしいと思う文章やキーワードを自分たちで選択して翻訳依頼できるという機能です。
おそらく、ウェブページの前後の文章も読みながら、プロの翻訳者が適切な文章に翻訳してくれいるのだと思います。
(翻訳会社の確認を取っていないので、どのように翻訳しているかはわかりません。あくまで推測です。)

実際に、翻訳依頼を部分的にお願いしましたが、前後の文を考慮した文章が出来上がってきました。(英語で判断したのみ)

また、翻訳依頼をする時点で、選択した元言語の文字数に、翻訳語の言語に設定された単価を掛け合わせた金額が表示されるので、
その場で見積りが取れる、依頼料が分かるという点がよくできていると感じています。

  日英翻訳 日韓翻訳 日中(簡体字)翻訳 日中(繁体字)翻訳
wovn.io
1文字あたりの単価
(カジュアル翻訳)
5円 5円 5円 5円
wovn.io
1文字あたりの単価
(ビジネス翻訳)
9円 9円 9円 9円
shutto翻訳
1文字あたりの単価
39円 15円 19円 19円

プロ翻訳の料金は、圧倒的にwovn.ioが安い!

自動翻訳サービスの中でも低価格のプロ翻訳は使い勝手も良く、wovn.ioの月額利用料無料版を利用しつつ、
wovn.ioで仮ページを作りプロ翻訳をつかって翻訳を行うなんてこともできなくないため、
翻訳を頻繁に行う必要があるときは、wovn.ioやgengo.comのクラウドソーシングの翻訳サービスのみを使うのもありだと思います。

原稿執筆時点(2017年5月17日現在)では、shutto翻訳のプロ翻訳は残念ながら安くはありません。

上記金額を比較する限り、プロ翻訳のクオリティは比較できませんでしたが、単価だけであれば、wovnの方が圧倒的に安くプロ翻訳の依頼ができます。

金額の算出方法もwovn.io、shutto翻訳は多少違と思われます。
文字数でカウントはしていますが、HTMLソースの分割方法や重複する文字列のカウント方法が異なっているのでしょう。

以下は、弊社のサイト内の同一ページにおいて、全テキストを日英でプロ翻訳した際の見積金額です。
wovn.ioは、30,250円、shutto翻訳では、158,691円という結果が出ました。
実に5.25倍の差が出ました。

ただ、付け加えると、翻訳単価は、wovn.io 5円、shutto翻訳 39円となり、7.8倍の差があります。という事は、重複テキストの排除は、shutto翻訳の方が優秀だといえますので、 今後、shutto翻訳がプロ翻訳の価格を改定し、wovn.ioに迫る翻訳単価になった際は、wovn.ioよりも安くなる可能性があります。

wovnでの見積り結果

同一ページを翻訳した際のwovn.ioの見積価格

shutto翻訳の見積り結果

同一ページを翻訳した際のshutto翻訳の見積価格

翻訳元言語が英語だと非常に結果がいい

自動翻訳をする際に、気を付けておきたいことがあります。 それは、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)が、はっきりしている文章ほど、自動翻訳の結果が良いという点です。

つまり、日本語やタイ語のように、主語を省略しまう言語だと自動翻訳後の結果が著しく低下していまいがちです。
また、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)がはっきりしていない文章であったり、口語文体であると翻訳精度が落ちる可能性があります。
キャッチコピーやSEOを意識した見出しなどは、意図した内容とかけ離れてしまいがちで理解できない結果が散見されました。

その点、英語は、S+V+Oが非常にはっきりしているので、翻訳元言語として選んだ際に、大抵の言語で理解ができる文章になりやすい結果になりました。

wovn.io、shutto翻訳にしろ、自動翻訳をメインに使いつつ、キャッチコピーをセルフ翻訳するか、プロ翻訳依頼することがよさそうです。
特に、外国語SEOを意識した際に、titleタグ、meta keyword、discriptionやH1,H2,H3などは、自動翻訳にはまだ頼れないという印象です。

日本語から英語へしっかりプロ翻訳した後に、英語のページを静的に作るか、CMS内にページを生成してから、
wovn.ioやshutto翻訳で、中国語(繁体字、簡体字)や韓国語、タイ語、ベトナム語、フランス語や、その他言語に変換することが、最もコスト削減に寄与するんじゃないのかと感じています。

セルフ翻訳が使いやすいshutto翻訳

shutto翻訳において特筆すべきは、管理画面の使いやすさでした。

特に、セルフ翻訳の画面は、wovn.ioに比べて分かりやすくスマホ変換サービス"shutto"で揉まれた事がうかがえます。


画面左側に、PCサイトのプレビューが表示され、画面右側に自動翻訳されたテキストがリスト化される作りになっています。
プレビューは、PC、モバイル(スマホ)の表示切替ができるようになっていて、見やすく使いやすくできています。
テキストの一覧も、コンテンツ内テキストと、HEADタグ、画像と別れていて、翻訳元言語が埋め込まれた画像もここで置き換えることができるようになっています。

選択中のテキストは、プレビュー画面で、水色の枠線に囲まれ、該当箇所が分かりやすくどの文章を選択しているか一目瞭然です。

重複するテキストは、一か所変更すれば、同一テキストを全てまとめて変換してくれるため、何度も同じ翻訳を繰り返す必要がありません。
例えば、ブロック要素として共通している部分、ヘッダーやフッターをきちんと翻訳しておけば、以後下層ページの自動翻訳時に、すべてのページに反映される仕組みになっています。

ただし、単語登録ができないために、文中に出てくる固有名詞は、一度単語だけ修正しても文中の単語は変換してくれません。
早く単語登録を実装してほしいと切に願います。

テキストのエディタ画面も「前へ」「次へ」を送ることができ、いちいちリストに戻らずに自動翻訳された内容のチェック、または、セルフ翻訳ができるようになっています。

有料版には、編集履歴が残るようになっていて、過去のある時点にテキスト単位で復元する機能がある点は現場の利用をよく理解しているなと感じます。

多少外国語が分かる人ならば、セルフ翻訳の機能と自動翻訳で充分でしょう。
現状では、shutto翻訳のプロ翻訳は、金額的にお話になりませんが、プロ翻訳を利用することがなくセルフ翻訳主体であればshutto翻訳を選んで問題ありません。

大量ページに向いているwovn.io

原稿執筆時点(2017年5月17日現在)では、wovn.ioの方が、大規模サイト向きと言えます。
shutto翻訳は、1ページずつ登録する必要があり、また公開も自動的には公開されません。

翻訳精度は、さほど気にならない、一応外国語になっていればよく、手間をかけたくない方は、迷わずwovn.ioを選ぶべきだと思います。
ユーザーがサイトを閲覧することで、自動的に翻訳されていきます。

また、shutto翻訳のビジネスプランは、5言語1000ページなのに対して、wovn.ioは3言語10000ページです。
つまり、shutto翻訳は、1言語あたり200ページしか翻訳できませんが、
wovn.ioは、1言語あたり、3333ページの翻訳ができます。

ニュースリリースなど、翻訳するページが大量にある場合は、wovn.ioが手間が少なくお勧めです。

翻訳サービスの問題点「自動翻訳のチェック」と「海外SEO」

自動翻訳が終わった時点では、外国人ユーザーに十分な理解が得られる状態になったとは言えないのがこれらのサービスの問題点です。
そのため、ジオ・キュービックでは、外国人のパートナーに自動翻訳された文章が、各国語の文章として間違いがないかという点のチェックを行っています。

また、チェックだけ行っても、言葉のニュアンスが伝わっているかどうかは会話によるすり合わせが必須です。
我々は、プロ翻訳前後の文章が伝わる内容になっているかをお手伝いいたします。
費用は、文字単価ではなく、かかった作業時間で済むので、割安な価格設定になっています。

海外SEO対策に関しては、きちんとSEO対策しgoogleや各種検索サイトクローラにサイトを認識させる上では、CMSの導入をお勧めしています。
wovn.ioやshutto翻訳で生成されるページをCMSに登録できる環境を構築中です。

海外にサーバを設置し、現地の検索エンジンからの流入させられるように
タイ、マレーシア、中国等のサーバホスティングも行っています。

【まとめ】wovn.ioの方が翻訳精度が高く、プロ翻訳も安い

今は、機能面、自動翻訳精度、プロ翻訳の価格においてwovn.ioの方が優れています。
shutto翻訳は、管理画面の使い勝手は良いのですが、総合的に考えるとwovn.ioを選ぶべきでしょう。
しかし、それぞれのサービスに、一長一短があり、導入を検討しているサイトごとに向いているサービスが異なります。

また今回、プロ翻訳の機能に関しては、比較できませんでした。
理由としては、shutto翻訳が高額過ぎた点に尽きます。
プロ翻訳機能と言っても、結局、翻訳者に翻訳を依頼するため、翻訳者の能力に依存してしまう事も比較から外した理由です。

shutto翻訳は、後発のためまだまだ準備が整っていないことがうかがえます。
しかし、2017年5月に開催された通販ソリューション展において、単語登録の機能や、サイトの一括自動翻訳を検討しているとのことでした。
プロ翻訳の単価についても検討を余儀なくされる状況ですので、今後に期待したいと思います。

お問い合わせ 03-5919-3353